35週5日目、出産予定日まであと30日という日の夜中。
わたしは救急外来で出産予定の病院(愛育病院)に駆け込んでいました。
夜中、耐えられないほどの腹痛
理由は、22時ごろから突然感じ始めたお腹の激痛。
実は、同じ痛みは前日のお昼と夜中にも感じていたのですが、なんとか耐え切れました。(痛みの長さも、昼は10分、夜中は30分くらいだったと思う)
なのであまり心配することなく、その次の日(病院に担ぎ込まれた日)は午前中、部屋のお掃除に精を出してせっせと動き回っていました。
その日は1日何もなく、楽しく休日を過ごして夜は外食。パフェまで食べました。
今思うと、痛みを感じた次の日なのに安静にしていなかったのが良くなかったかな。(特に掃除…😅)
その日の夜中に、同じ激痛が訪れ、とにかく耐えられない痛み…。
ちょうど、無痛分娩でバルーンを入れて子宮口を開けている時のような、ひどい月の排卵痛のような、本当に身動きが取れないほどの「激痛」です。
普通に寝転がっていることもできず、うめき声を上げながら七転八倒してました。
「波」のない激痛だった
30分くらい経ってからも痛みは引く感じではなかったので、「赤ちゃんに何かあったらどうしよう?!」と思い、救急で病院に電話することにしました。
電話では、いろんな質問をされたと思いますが、
「痛みに波はありますか?」という質問に対し、
「ないです。ずっと同じくらい、耐えられないほど痛い」
と伝えたら、
前駆陣痛や陣痛にしては時期的に少し早いし、痛みの程度(動けないほど)、そして「波がないこと」を考えると、すぐに病院に来て診察を受けた方がいい、とのこと。
病院へ
夫が診察券、母子手帳などの準備をしてくれて、すぐにタクシーに乗って病院に向かいました。
自分自身に余裕がなさすぎて、あまり覚えていないのですが…
マンションの玄関からエレベーター、玄関ホール、夫の呼んでくれたタクシーに乗り込むまで、一人では歩けないのでずっと夫が担いでくれました。
到着しても自力で玄関まで歩けないだろうことを考え、夫も病院までついてきてくれることに。
ただ長男(2歳)を家に放置するわけにいかないので、寝た状態でベビーカーに乗せて連れてきました。
わたしを抱えてタクシーに運び込み、
荷物を運び込み、
長男とベビーカーを運び込み…
どれだけテキパキと動いてくれていても、タクシー出発までかなり時間がかかっていました。
ああ、ここでもう一人頼れる大人がいれば助かるのに…!と、苦しい中で思っていました。
タクシーで移動中には、少しだけ胎動を感じられて、赤ちゃんが生きていることにホッとしました。
病院に到着したのは、23時過ぎです。
病院で診察の結果、子宮口が少し開いていた
病院に到着したら、(コロナ対策で)「子供は入れない」とのことで、夫と子供は病院の一階で待機することに。
この時点では、自宅で感じていた激痛は落ち着いたものの、ひどい生理痛のような鈍い痛みは感じ続けていました。
病院についてすぐ、「LDR」という個別の分娩室に車椅子で連れていかれました。
そのまま着替え、ベッドに寝かされ、お腹に吸盤のようなものをつけて、お医者さんを待ちました。
吸盤のようなものを通じて、横の機械がドッドッドッドッと早めの脈を打っているのが聞こえます。
これが赤ちゃんの心臓音だったようで、その後の診察でも「赤ちゃんはとっても元気!」とお墨付きをもらいました。そして、胎盤剥離をしている様子もない、と。
よかった!!一安心。
しかし、その後子宮口を調べてもらうと、
「3cmほど、開いてきている」
とのこと。
そしてお腹の張りも定期的に訪れていたようです。(自分では「波」がわからなかったけど、この吸盤を通してお腹の張りの波もわかるようです。)
先生からは、
これが陣痛なのか、そうでないかはまだわからないから、しばらく様子を見る。子宮口がこのまま開いていって痛みも治らないようなら、もう数時間後には出産になる可能性もある。
…といったことを説明されました。
まだ37週に到達していないので、もし今産んだら「早産」です。
赤ちゃんは、今回の診察の時点で2,500g弱あるそうなので、NICUに入るほどではないだろうけど、あまりに早い…!!
何も準備ができていなかった
わたしは、この間記事にもしたように、数日前に急遽里帰り出産を中止して、こちらで産むと決めたばかりだったので、
「入院の準備」は何もできていませんでした。
それどころか、
分娩予約もできていないし、
前金も払っていないし、
いろんな同意書のサインもまだだし、
なんなら里帰り先でやるはずだった「出産前に必要な検査」も一部できていない…!
そんな中で、こんな緊急事態を迎えてしまったので、
「もしかしたら数時間後には出産するかも」
という可能性を前に、大急ぎでいろんな検査を一気に進めました。
検査用の血液やおりものもとり、手術のリスクなどの説明を受け…(わたしは前回の出産は緊急帝王切開だったので、今回も帝王切開になることが決まっていました)
サインできる部分はサインをして、手術になった時用の点滴も、この時腕に入れてました。(針刺すのめっちゃ痛かった😭)
痛みはもちろん、眠さもあり、意識は朦朧…。
数時間の様子見
必要な検査が一通り終わってからは、しばらく様子見です。
- 子宮口がさらに開いていくかどうか
- 痛みとお腹の張りが治るかどうか
この2つを見ないといけないそうで、数時間は病院に滞在することになりそうでした。
ここで、やっと「この先数時間」の見通しはついたので、夫に電話して、いったん長男を連れて家に帰ってもらいました。
もし産む、となったら、また連絡するから。と伝えました。
(その後夫と長男は家に帰り、夫は「いつ連絡が来てもいいように」と携帯を枕元に置き、結局ずっと寝られなかったそう。)
トイレに行くのが大変すぎた
痛みは続くものの「激痛の波」は訪れることなく、気持ちもだいぶ落ち着いてきて、夜中なので眠たくなってきました。
ウトウト…
しかしそこから、新たな問題が。
夜の間はずっと、妊娠中の「頻尿」が爆発していて、寝ている部屋の外にあるトイレに何度も何度も(ほぼ1時間ごとに)行きました。
毎回、許可を取って、腕に繋がった点滴一式と、吸盤の機械を一緒に持っていくので、大変…。しかも毎回吸盤がズレてデータが測れなくなるので、看護師さんに直してもらいます。
頻尿さえなければ、もっと寝られたのに…。
と、もどかしく思いながらも、
お医者さんから「寝られるくらいに痛みが落ち着いてきたのは、安心!」と。
それに、一人でトイレに行けるのも痛みが収まってきた証拠です。
もう数時間後には出産する覚悟でいたけど、もしかしたらしないで済むかも…?と希望が見えてきました。
そのままウトウト&トイレを繰り返しつつ、いつの間にか朝を迎えました。
退院できることになった
朝6時ごろ。
そのまま「激痛の波」は訪れることなく、痛みも生理痛くらいはあるものの耐えられる(ウトウトと寝られる)程度に収まっていました。
先生が子宮口を確認してみると…
「3cmのままで、さらに開いてはいない。」とのこと。
子宮口は一度開いてきたら元には戻らないらしいので「さらに開いていくかどうか」が問題でした。一応、一安心です。
その後も赤ちゃんの心拍やお腹の張り具合なども確認し、今回は退院して、家に帰れることになりました!!
あと1週間くらいは、安静に
またすぐに痛みが起こって、病院にとんぼ返りになってしまう可能性はあるものの…
- 早産は免れたこと、
- 心の準備が全くできてないのに出産に入らないで済んだこと
- いきなり長男に8日間会えなくなってしまうことを防げたこと
などを考えると、一安心でした。
なるべくお腹の中にいる時間が長い方が、お腹の赤ちゃんの成長にとってもいいですし。
母が家に来てくれていた
そして退院後は、1週間程度はなるべく家で安静に過ごすことにしました。
あと実質8日ほど経てば、正産期(37週〜)に入るので、なんとかその期間だけでも耐えられれば花丸です!!
一泊の入院中は、自分のことで精一杯であまり連絡などもできていなかったのですが…
朝起きてLINEを確認したら、夜中の間に家族LINEが動いていて、夫が状況をわたしの実家に伝えてくれていました。
そして翌朝には、愛知にいる母が、朝イチの新幹線で東京の家まで来てくれていました。
母がいれば、その間は家事も長男のお世話も任せて、安心して安静に過ごせます。
なによりも「頼れる大人がもう一人いる」というのは本当に心強いです。万が一、また病院に救急で飛び込むことになっても、大人がいればいるほど対応はずっと楽になります。
どちらかが家にいてくれれば、緊急時に毎回長男を病院に連れてくる必要もないし。
本当にありがたい!!
今回の入院事件で学んだこと
1泊だけの救急外来&入院になりました。
今回の事件は、とりあえず「前駆陣痛」ということで処理されるそうです。
もう、数時間後には産むかも?!
という緊急事態において、普段から「こうしておけばよかった」「こういう準備をしておけばよかった」と思ったことがたくさんあったので、まとめておきます。
家族と「持ち物の情報」共有は大事
今回、「病院に救急で行く!」となった時に、最低限必要なものがいくつかありました。
- 診察券
- 母子手帳
このあたりは、夫はなぜかわたしがしまっている引き出しをちゃんと把握していて、ささっと準備してくれました。
が、
この時「きちんとあるべき引き出しに入っていた」のはラッキーだっただけです。笑
ズボラなわたしなので、普段は適当にそこらへんにポンと置いてあることも…。(コピーが必要で、コピー機の中に忘れていることも💦)
もしそうだったら、
あの激痛の中で
「ここ見てみて」
「ないなあ」
「あ、もしかしたらあっちかも」
「いや、ない」
みたいな、不毛なやりとりをしなきゃいけなかったはず…😱😱😱
しかも、そんなふうに時間をロスして病院到着が遅れて、(自分のズボラさのせいで)赤ちゃんの命が危険に晒されたら、後悔してもしきれない…。
これからは、診察券と母子手帳は必ずきちんと「あるべき場所」にしまっておこうと思いました。
そしてそれをきちんと夫と共有しておかないとな、と。
さらに夫は、わたしが普段スマホを充電している場所や、放置しがちな場所も把握してくれていて、病院ではスマホはどこかに置いてきて持っていないものだと思っていたのに、見てみたらちゃんとカバンに入っていて(夫が入れてくれてて)ビックリしました。
何が起こってもおかしくない臨月に入ったら、スマホを夜間置いておく場所もきっちり決めて共有しておかないとな、と思いました。
今回の事件の最中は、夫は長男と病院に来ていたのでわたしのいる階までは来られませんでした。なので、スマホで状況を伝えたり、連絡を取ったりしていました。
スマホがないと看護師さんに伝言を頼むしか手がなかったので、本当に大変だったと思います。
「タクシーを呼びだすアプリ」に慣れておく
救急車を使わずにタクシーを使って病院に行くのであれば、事前に「タクシーを呼び出すアプリ」を入れておくのが便利です。
東京だと「Go タクシー」とか「S ライド」とかが大手で、夫も今回はGoタクシーを使ったのですが、
さらに妊婦の緊急時に対応しているタクシー会社も把握しておくのが大事だな、と思います。
いざ乗ろうとして、
「あっすみません、破水されて座席が汚れて困るんで、緊急時の妊婦は乗せられないんです!」
とか言われたら、目の前真っ暗。絶望です…。(そんなひどいタクシー運転手はいないと思うけど💦)
夫は、部屋にいる段階でタクシーアプリでタクシーを呼んで、窓から見てタクシーが到着してからわたしを運んでくれました。
なので、「外でタクシーを待つためにずっと立ってる」みたいなこともせずに済みました。それが、どれだけありがたかったか…。
自分だけでなく、同居の家族がこういうタクシーアプリに慣れておいてくれると、安心だなと思いました。
そうじゃないと「救急車を呼ぶ」しか選択肢がなくなってしまう…。
東京に住んでいたら、タクシーを呼んだ方が早く病院につける場合も多いと思います。
近所にいる「緊急時に頼れる人」を把握する
今回、夫はとても大変だったと思います。
病院に電話をしてしゃべれない程苦しんでいるわたしの代わりに状況を伝え、
必要なものを揃えて、
タクシーをマンションの玄関に呼び、
何度も往復して人と荷物を運び込み、
わたしと子供を連れて病院にいく…。
家に帰ってからも、ずっと病院やわたしからの連絡を待ち、わたしの実家にも連絡し、朝は長男の用意をして保育園に送りだす。
この中で、もう一人大人がいれば本当に楽になる場面がいくつもありました。
大急ぎで動いてくれる夫の気配を、激痛の中で感じながら、
「ああ、夜中だけど、(挨拶を交わしたことがあるだけの)お隣さんの家のチャイムを鳴らして、5分でいいから頼れないだろうか…」
とすら、思いました。
もしくは、同じ区に住んでいる夫の友人夫婦か…
夫がタクシーの中にわたしを担ぎ込んでいる間、(子供が一人で寝ている)部屋の玄関の前で待ってくれてるだけでも、ありがたいのに。
「なぜ、自分には緊急時に頼れる”夫以外の大人”が近くにいないんだろう」
とも思いました。
わたしの場合、まだここに引っ越してきて半年しかたっていないのと、
この辺りは都会だからかそんなに近所付き合いらしいものもなく、
ママ友もいません。(長男の保育園のママたちは、お互いに忙しすぎて喋る時間はほぼない。笑)
ふと気づくと、びっくりするほど周りに「頼れる人」がいない。
普段は意識していなくても、緊急時にはそれがはっきりわかります。
今回のようなことが、もし子供と二人きりの時に起きたら…と思うと、ゾッとしました。
もし、この記事を読んでいる人でわたしよりも近所に頼れると思える人がいるのであれば、把握しておくのは大事だと思います!
わたしはこれからは母がいるので大丈夫だとは思いますが、こういうことが起きてもその後も頼れる大人がいない人の場合、
せめて、お隣さんなどに状況を説明して「もしかしたら、万が一の時には頼らせていただくかもしれない」と伝えてみるのもいいかもしれません。(もちろん、お隣さんの生活ペースもあるので頼り切るのはムリだと思いますが)
今このブログは、退院の翌日に書いています。
これからどうなっていくのかはまだわかりません。
できれば正産期(37週〜)を迎えてから産みたいけど…
もしかしたら、痛みが再発してもう明日には産むことになっているかも…?
とにかく、赤ちゃんを無事産めるよう、本当にムリせずゆる〜〜く過ごしていこうと思っています。